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梅毒治療ガイドラインの一部改訂

日本性感染症学会編集の『性感染症診断・治療ガイドライン2020』の梅毒の項が一部改訂され、梅毒治療の「<第一選択>B」としてベンジルペニシリンベンザチン水和物筋注剤が追加されました。

 

今まで使用されてきた点滴薬や経口薬は、薬効の持続時間が短く、一日に複数回の投与が必要でした。点滴薬の場合では入院での管理が必要となり患者の負担が大きく、また経口薬では服薬アドヒアランスの低下による治療の失敗などのリスクが問題となっていました。ベンジルペニシリンベンザチン水和物筋注剤は早期梅毒なら単回投与で梅毒の治療が可能なことから、世界の多くの国で梅毒の第一選択薬として使用されている薬です。そのベンジルペニシリンベンザチン水和物筋注剤が、ようやく日本でも2021年に製造販売承認を経て薬価収載され、2022年1月発売されました。

 

2011年に約800件だった国内での梅毒感染者の報告数は、2021年には約8000件と著しい増加傾向を示している中で、早く、確実な治療が期待される梅毒治療の国際的標準薬であるベンジルペニシリンベンザチン水和物筋注剤の薬事承認は性感染症学会でも喫緊の課題とされてきました。

 

ベンジルペニシリンベンザチン水和物筋注剤により、入院での管理や服薬アドヒアランスの問題がクリアされることで、患者の負担軽減と治療失敗の減少が期待されます。

 

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