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検査室ブログ

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12月1日の世界エイズデーに寄せて

2021.11.26

12月1日は世界エイズデーです。世界エイズデーは世界規模でのエイズの蔓延防止と患者や感染者に対する差別や偏見の解消を目的として1988年に世界保健機関が制定したものです。国内でも、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しながらも全国各地で様々なキャンペーンが予定されています。

 

今年度、令和3年の世界エイズデーのキャンペーンテーマは「レッドリボン30周年 ~Think Together Again~」です。レッドリボンは古来より欧州に伝わる習わしとして、事故や病によりその人生を全うできなかった方々への追悼の想いを示すものでした。レッドリボンがエイズに関して使われ始めたのは、今から30年ほど前、エイズが米国で社会的な問題として浮き彫りになってきた頃のことです。当時、ニューヨークで活動する芸術家の間にもエイズが広がっていました。エイズで命を落とした仲間達に対する追悼の想いとエイズ患者への理解と支援の意思を表す運動のシンボルとしてレッドリボンが使われるようになりました。やがてレッドリボンは世界的なムーブメントとなり、国連合同エイズ計画のシンボルマークにも用いられています。今もレッドリボンにはその運動が始まった当時と変わらぬ想いが込められています。エイズに対して偏見をもっていないこと、差別しないこと、そして支援の意思があること、そんな想いの象徴がレッドリボンです。

 

治療薬の進歩により、HIVに感染してもきちんと服薬すれば、エイズの発症を抑えるだけでなく、感染前と同等の生活を送ることが期待できるようになってきています。にもかかわらず、現在でも新たに報告されるHIV感染者の相当数がエイズを発症して初めてHIVの感染を知るという方々です。

 

レッドリボン30周年の節目にレッドリボンの原点である当時の想いに立ち返るとともに、検査のこと、治療のこと、支援のことなどの情報を広め、差別や偏見の解消に努めるとともに、HIVの検査機会を創出していくことが我々の絶対的な使命だと改めて想いを強くしております。