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検査室ブログ

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梅毒の感染拡大が止まりません。

厚生労働省と国立感染症研究所による感染症発生動向調査の感染症週報では第41号に続き第47号でも注目すべき感染症として『梅毒』が報告されています。

感染症発生動向調査の速報データでは2021年1月4日から12月5日までの梅毒患者報告数の累計は7134人と過去最高の報告数となっています。

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が原因の感染症です。性的接触によって感染する性病としての患者数が多いこと、ペニシリンなどの有効な抗菌薬があること、また妊婦が感染した場合でも適切な抗菌薬治療を行うことで母子感染が防げることなどから、公衆衛生において重点的に対策すべき感染症として位置付けられています。

梅毒患者の報告数は昭和23年以降、小規模な流行はありながらも減少傾向で推移していました。しかし平成22年に増加に転じてからは急激に患者数が増加し、平成30年には約7000例の梅毒患者が報告され報道などでも大きく取り上げられました。その後、減少傾向となっていましたが今年になって再び増加傾向を示し12月5日時点で既に7000例を超える報告数となっています。

梅毒も他の性病と同様、不特定多数の相手との性行為が感染のリスクを高めます。また、アナルセックスやオーラルセックスでも感染します。梅毒の局所症状である感染部位に生じる潰瘍は自然に消失しますが治ったわけではありません。梅毒の検査は、病院での受診や弊社で扱っております性病検査キットをご利用いただく以外に保健所などでも検査ができます。心配なことがあった際は、迷わずに検査を受診することをお勧めします。