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検査室ブログ

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エイズ動向委員会報告

厚生労働省エイズ動向委員会より令和3年の約1年間の新規HIV感染者と新規AIDS患者の報告数が速報値として発表されました。

 

これによりますと、新規HIV感染者報告数が717件、新規AIDS患者報告数が306件、HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は1,023件となっております。この1,023件という新規報告数は過去20年間で18番目の報告数となっています。このうち、78%の804件が性的接触による感染と報告されています。また、AIDS患者が累計で1万人を超えたことも報告されています。

 

この新規AIDS患者とは、初回報告時にAIDSと診断されたもので、HIV感染者として報告されている症例がAIDSと診断されたものは含みません。HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数、1,023件の約3割に相当する306件がAIDSを発症するまでHIV感染者として報告されることなく経過したということになります。

 

HIVは治療薬の進歩により、感染しても適切な服薬等の治療により、AIDSの発症を防ぎ、感染前と同様の生活が期待できるようになってきています。にもかかわらず、HIVに感染してからAIDSを発症するまで数年間、医療機関で受診することなく、適切な服薬治療を受けることなく経過してAIDSを発症してから医療機関を受診するという症例が現在でも一定数存在しています。

 

HIV感染は初期症状に乏しい症例が少なくありません。初期症状が消失すると数年間は無症状に経過します。そのため、HIV検査を受けなければ発見されないケースが多数存在します。新型コロナウイルス感染症の影響によりHIVの検査数が減少しており、無症状感染者が十分に把握できていない可能性が示唆されています。

 

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